10人の処女

トーヴェ・ヤンソンは、建築工事中だった教会の壁に直接、祭壇画をセッコ技法で描きました。祭壇画は横長で、幅5メートル強、高さは1.5メートル弱です。それまで誰もが、空にむかって上昇するような縦長の祭壇画に慣れていたので、この祭壇画は注目を浴びました。 

タンペレ大聖堂の祭壇画も横長です。教会の設計者であるエルシ・ボルグは、テウヴァのある中西部フィンランドの平坦な地形に、この形がとてもふさわしいと思いました。

トーヴェ・ヤンソンは、教会を設計した設計事務所を通じて、祭壇画を描くことになりました。設計事務所は女性芸術家を採用したいと考えていましたが、設計に関わっていた女性建築家カイサ・ハルヤンネがトーヴェ・ヤンソンを知っていたのです。トーヴェ・ヤンソンとカイサ・ハルヤンネは、テウヴァ教会を一緒に訪れました。この旅の途中で彼女らはタンペレにも立ち寄り、タンペレ大聖堂のマグヌス・エンケル作の祭壇画も見て、横長の祭壇画により確信を持つことになりました。(出典:パイヴィ・シルタネン談)

中西部フィンランド南部の風景は、トーヴェ・ヤンソンにとって新鮮であった。彼女はある手紙で「全てが、水平、穏やか、そして無限」と描写している。 (コラム、イルッカ新聞2001年7月14日)

祭壇画の制作資金は寄付金でまかなわれました。少なくとも名前が絵にも記載されているエルランド・ルオマが寄付したことが知られています。